【有機】不飽和度と異性体

不飽和度
演習問題

不飽和度

下の問題が全て解けるか確認してみましょう

以下の分子の不飽和度を計算せよ。また考えられる異性体を全て書け。
(1)C₃H₆
(2)C₃H₈O
(3)C₃H₇Cl

有機化学の構造決定などをする際、はじめに物質の「不飽和度」というのを計算しておくだけで、ある程度構造の見通しが立つ。

不飽和度Du　$$\frac{2x＋2-y}{2}$$　　ｘ：Cの数　ｙ：Hの数
※DuはDegree of unsaturationが由来

Oの数は計算式に関係ないので無視する
ハロゲンの数は分数の分子から引いて計算する

不飽和度公式の由来

不飽和度は「不足している水素を2で割ったもの」と定義されている(飽和までの不足)

Cの手の数は４であるため、Cがｘ個あある場合、Hが限界までくっつくとHの数が2x+2となる。そこから実際に物質のもっているHの数を引くと、不足している水素が求まることになる。それが2x+2－yの意味である。
Oが含まれていたとしても、二重結合や環状構造がなければHの数が減ることはないので、不飽和度の計算においては無視する。ハロゲンが含まれていれば、それがHのところに置き換わることでHの数が減る。

不飽和度の意味

不飽和度Duが１→全て単結合でつながっていて、環状構造もない
不飽和度Duが２→二重結合を一つ含む or 環状構造を一つ含む
不飽和度Duが３→三重結合を一つ含む or 二重結合と二つ含む or 環状構造を二つ含む or 二重結合と環状構造を一つずつ含む
不飽和度Duが４→ベンゼン環を含む可能性が高い・・・

これらの内容を頭に入れて構造決定や異性体の問題に取り組むことが大切である。